婚活でひとり時間をどう伝える?

一冊の本と二つのカップに別々の朝の光が差し、ひとりの時間と二人の時間を表す横長のイラスト

休日の話になったとき、「ひとりで過ごす時間もほしい」と言いかけて、言葉を飲み込む。婚活中にそんな場面があるかもしれません。相手を遠ざけたいわけではないのに、冷たく思われないか気になります。ひとり時間の希望は、相手への気持ちの強さだけでは測れません。

「一緒に」の意味を急いで決めない

日本の第17回出生動向基本調査は、2025年に全国の調査区の独身者と夫婦から回答を集めました。未婚者の生活スタイルでは「一人の生活が寂しくない」と感じる人が前回より増えています。また、アプリ等で知り合った夫婦の割合も前回より上がっています。ただし、婚活中のひとり時間への希望や、プロフィールの読み方を直接示す調査ではありません。

「休日は一緒に過ごしたい」「自分の時間も大切」という条件欄は、相手を知る入口になります。一方で、言葉だけでは、どんな一日を思い浮かべているかまでは分かりません。まず、暮らしの場面を一つ聞けるでしょうか。

たとえば、何度か会った帰りのカフェで、次の休日の話が出たとします。少し間を置いて話します。

A「休みの日は一緒にいたいですか。私は、たまに一人で本を読む時間もほしくて」

B「一人の時間がほしいんですね。会いたくないという意味なのかな、と少し迷いました」

A「そう聞こえますよね。会うのも楽しみです。静かに過ごすと、次の日を落ち着いて迎えられるんです」

B「なるほど。私は一緒に朝ごはんを食べられるとうれしいです。その後は別々でもいいかもしれません」

A「朝ごはんを一緒に、いいですね。毎週同じ形にするかは、また話してみたいです」

静かなカフェで、本を手にした人と向かいの人が休日の過ごし方を話しているフラットなイラスト

ここで決まったのは休日の正解ではありません。「一緒に」と「ひとりで」の中身を、互いに少し見えるようにしただけです。違いが残ったら、その扱いをまた話せます。

理由と場面を、ひとつずつ聞く

対話型組織開発の研究者BusheとStorchは、いつもの見方を揺らし、新しい可能性を考えられる問いを論じています(原典)。組織での知見を親密な関係へ類推するなら、「一緒にいたい人か」という分類から、「どんな時間が心地よいか」という問いへ移すヒントにはなります。

家族療法の流れにあるカップルの会話研究は、相手がどう感じるかを想像する問いを、臨床場面のやりとりから検討しています。婚活への効果を確かめた研究ではありません。それでも「私が一人で出かけたら、あなたにはどう見えそう?」と尋ねるとき、相手の反応を決めつけずに確かめる視点として参考になります。答えを急がず、自分の受け取り方も伝えられます。

ひとり時間の食い違いだけで、その後の関係は予測できません。ただ、結婚後も意見の違いが続く可能性はあります。米国の夫婦を長く追った研究では、初期の対立時の行動パターンが後の離婚と関連しました。対象も状況も異なり、婚活の進め方が離婚を招くと示したものではありません。今できるのは、違いを消すことより、違いについて話せるかを確かめることでしょう。

ひとり時間は、最初から「必要な日数」まで決めなくても大丈夫です。まずは、自分がしたいことを一場面だけ伝え、相手が一緒に過ごしたい時間も聞いてみる。暮らしの話は、そこから始まります。

今日からできること: 次に休日の話になったら、「一人で過ごす時間も好きです。あなたはどんな休日が心地よいですか」と一言たずねてみる。

今日のあなたへの問い: 誰かと暮らす日々のなかで、あなたが残しておきたい時間はどんな時間ですか。

対話や関係性を考えるヒントを、メールマガジンでもお届けしています。気が向いたら、読んでみてください。

どんな関係も、対話から

あいだのことば編集部

あいだのことば編集部

婚活中の対話から、結婚後も続く関係づくりまで。ふたりで話し合うための考え方やヒントを発信しています。